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(2)荷重再配分によるき裂伝播挙動
80型バルクキャリアー、バラストホールドの横隔壁下部スツール斜板と内底板ガーダー、フロア交差部のき裂を対象(図3.10参照)にき裂が部材を順次伝播することで隣接部材の荷重分担が変化する様子(荷重再配分)を調べた。その結果、
(i)縦荷重を受ける場合、ガーダー部のき裂が進展するとガーダー部の応力拡大係数は低くなるが、内底板の応力拡大係数は高くなる。
(ii)横荷重を受ける場合、ガーダー部のき裂が進展するとガーダー部及び内底板の応力拡大係数は共に低くなる。
(iii)ガーダー、内底板にき裂が生じた場合、両部材の応力は減少するが、隣接するガーダーの応力は増加する。
(iv)ガーダー部の疲労寿命は荷重再配分を考慮すると、考慮しない場合に比べ寿命が長くなる(図3.l1参照)。
(V)横荷重を受ける場合、ガーダー部のき裂は停留する可青旨性がある。すなわち、荷重再配分により隣接部材の荷重増加や、荷重形態によってはき裂が停留することがある。

 

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図3.10 80型バルクキャリアーの解析対象部材

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図3.11 き裂伝播寿命解析結果

 

 

 

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